2005年12月18日

「愛の渇き」 三島由紀夫

 それからの二時間ちかくを、悦子は闇のなかで、恐ろしい待ち遠しさですごした。この焦燥と徒らな熱い夢想とは、三郎とのあいびきを無限に喜ばしいものに思いえがかせた。彼女は三郎に憎まれたいための告白のおつとめを、恋心に浮かされて祈祷を忘れる尼僧のように忘れるのであった。
posted by ヒメスケ at 00:40| 三島由紀夫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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