2005年12月18日

「愛の渇き」 三島由紀夫

『電話。あんなものを見るのもずいぶん久しぶりのような心地がする。人間の感情がたえずその中を交錯するのに、それ自身はただ単調なベルの音を立てることしか出来ない奇妙な機械。あれは自分の内部を、あれほどさまざまな憎悪や愛や欲望がとおりすぎることで、すこしも痛みを感じることがないのかしら。それともあのベルの音は、あれがひっきりなしに挙げている、痙攣的な、耐えがたい苦痛の叫びでもあるのかしら』
posted by ヒメスケ at 00:36| 三島由紀夫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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